骨展に行ってきた話。

id:phoさんのブログがきっかけで骨展に行ってきました。


[イベント]山中俊治ディレクション「骨」展に行ってきた
http://d.hatena.ne.jp/pho/20090713/p1

骨展のページ
http://www.2121designsight.jp/bones/

骨展がどんなのかははぶきます。実際に行くか、いろんな人のブログを見てみてくだされ。


以下、感想。

骨展の中で、からくり人形師の方の展示があり(名前忘れました。。。)ビデオが流れていたのですが、そこで心に留まる言葉がありました。

デザイナーのすごいところは頭の中で思い描いたことを紙の上に再現できることなんですよね。

これは、山中さんが人形師の方に数枚のからくり人形のスケッチを手渡したときに、
ただのスケッチでありながらも的確に人形を捉えており、そのスケッチから人形をそのまま作りだせたことから、人形師の方が思ったことらしいです。

この話を聞いた時にちょっとしたアナロジーが思い浮かびました。

プログラマーのすごいところは頭の中で思い描いたことをコードの上に再現できることなんですよね。

みたいな。

いろいろとバリエーションがありえる非常に抽象度の高い素晴らしい言葉だと思いました。
他にも、ソムリエと香りとか野球選手とバットとか言えそう。

卓越した人っていうのは、頭と手が同化するのでしょうか。

実際に人形のスケッチも展示されていたのですが、とてもシンプルな線で構成されており、非常に洗練された印象を受けました。よく想像で絵を描くと、どうもウソやごまかしが混じってしまうところがあるのですが(遠近法的にそんな線ありえないでしょとか、細かいところをあいまいにしてしまったりと)、ごまかしのない素直な絵がそこにありました。これを頭の中だけで構成されたのかと静かに感心してました。


それと、運よく山中さんの授業を聴講することができました。

そこでは、鶏の絵を描いてみるということをやっていました。
山中さんの講義では、いつもやることらしいのですが、その時に、数十人いたら大抵1〜2人は4本足の鶏を書く人がいるそうです。で、そのほとんどが、成績優秀者とのこと。4本足の鶏の足を描く人は物事を抽象化する能力に長けていて、鶏を概念的に認識するのに足の数は関係ないと考えているのではないかとおっしゃっていました。なかなか面白い話です。

ちょっと自分の時間の都合上、残念ながら15分ほどで離れてしまったのですが、離れる前に山中さんがおっしゃっていた。

しくみから考えるとよりよい絵が描ける

ということも印象的でした。確かに絵を描くのが上手い人は対象のしくみや構造を捉えるのが上手いように思います。たとえば、人を描くときに、絵を描くのが苦手な人は顔を身体の2分の1くらいの大きさに描いちゃったりとバランスがおかしかったりしますが、絵を描くのが上手い人は、身体の構造上、頭は身体より小さくて手のひらを広げたサイズよりは大きいといった推測を無意識か意識的なのかは分からないですが、やってるように思います。うーん、絵を描きたくなってきた。


というわけで、
骨、骨組みっていう視点から物事を見るのは面白いかったです。21_21 DESIGN SITE(会場)もいい感じでした。
せっかく東京にいるから、もっと芸術に触れる時間を増やしていきたいなぁ。


自分を構成する骨ってなんだろうなぁ。そもそも骨ができてないって話かもしれないけど。
夏休みの自由研究のような気分で、ぼんやりと考えてみよう。